個人事業主が事業用にクレジットカードを分けるメリットとおすすめ7枚

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個人事業主の方は、プライベートのクレジットカードで経費を支払い、経費として使用した分だけを経費計上しているという人も多いのではないでしょうか?

1枚のカードで事業用とプライベートの支払いができるのは便利ですが、プライベートと仕事用のカードを分けることで、さらにビジネスや経理が楽になることもあります。

個人事業主が事業とプライベートでカードを分けるメリットと、個人事業主は個人カードと法人カードのどちらがおすすめなのか、詳しく解説していきます。

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この記事の監修者

手塚大輔(てづか・だいすけ)ファイナンシャルプランナー/証券外務員

地方銀行に8年勤務し、住宅ローン・カードローン・フリーローンなど個人ローンの他、事業性融資・創業融資など幅広い業務を担当。ファイナンシャルプランナーの資格を有する。

個人事業主が事業用と個人でカードを分けるメリット

個人事業主が事業用とプライベートで使用するカードを分けるメリットは次の4つです。

  1. 経費処理の時間と手間を短縮できる
  2. 会計ソフトとのデータ連携が簡単
  3. 年会費を経費にできる
  4. 事業用と個人用に向いたカードを選べて便利

カードを事業用とプライベートに分けることの4つのメリットについて詳しく解説していきます。

経費処理の時間と手間を短縮できる

クレジットカードを事業用とプライベートで分けることによって、経理処理を楽にすることができます。

事業用カードの利用代金は、事業用の銀行口座から引き落とされるように設定できるので、経費の精算が非常にスムーズです。

個人用のカードで経費を支払った場合は、領収書と立て替えた経費を精算しなければなりませんが、事業用のカードで経費を支払うことでこの手間が不要になります。

会計ソフトとのデータ連携が簡単

事業用のカードを会計ソフトと連携させることで、カードで支払った経費はそのまま仕訳と記帳を行ってくれます。

クレジットカードを個人と事業で分けない場合は、事業の経費だけ自分で記帳しなければなりませんが、事業専用カードを作れば記帳も楽になります。

年会費を経費にできる

事業専用のクレジットカードの保有にかかる年会費は、経費として扱うことができます。

しっかりと利益が出ている会社であれば、年会費を支払うことによって税金対策にもつながります。

事業用と個人用に適したカードを選べて便利

カードを分けることによって、事業用と個人用それぞれに適したカードをそれぞれ選ぶことができます。

事業用カードでは出張時に空港ラウンジ無料になるものなど、ビジネスに特化した特典が豊富です。

他方、個人用のカードではコンビニなどの普段の買い物でポイントが貯めやすくなっているなど、日常生活を便利でお得にする特典が豊富です。

カードを使い分けることによって、仕事とプライベートでそれぞれメリットを享受することができます。

事業用と個人用にカードを分けるデメリット

事業とプライベートでクレジットカードを使い分けることは確かに便利ですが、年会費やポイントという部分ではデメリットになってしまうこともあります。

事業とプライベートでカードを分ける2つのデメリットについても理解しておきましょう。

年会費が2枚分になることも

クレジットカードを事業用とプライベート用で2枚持つことによって、年会費も2枚分になります。

事業用カードの年会費は経費にすることはできますが、それでも2枚分の年会費を負担することは変わりません。

事業の利益が出ていない状況で、カードを2枚持つことは資金的に大きな負担になります。

年会費が気になる場合は、個人カードは年会費無料のカードを選ぶなど、年会費にかかる負担を軽減する方法を検討してみましょう。

ポイントが2枚別々に貯まる

利用するカードが2枚に分かれることで、ポイントもそれぞれ別に貯まることになります。

1枚のカードでポイントを効率的に貯めたいという人にとっては、カードを分けることによってポイントは貯めにくくなります。

ただし、貯まったポイントを他のポイントプラグラムのポイントに交換できるカードも多いので、それぞれのカードで貯めたポイントを統合できるカードを選ぶのがよいでしょう。

個人カードのメリット

個人事業主は個人用カードと法人カードをどちらも契約することができる属性です。

個人カードを保有することには法人カードと比較して次の3つのメリットがあります。

  1. 分割やリボも選べる
  2. キャッシング機能があり資金繰りにも対応
  3. 個人の信用情報や年収だけで審査を受けられる

個人カードの3つのメリットについて解説していきます。

分割やリボも選べる

個人カードは支払方法が多彩です。

一括払いだけでなく分割払いやリボ払いも選択することができるので、高額な設備などを導入する際に、リースや借入金を利用しなくてもクレジットカードで購入することができます。

一方、法人カードは原則1回払いのみとなっているため、リボや分割も使用したいという人は個人カードの方が向いています。

キャッシング機能があり資金繰りにも対応

個人カードにはキャッシング機能を付帯することができます。

ATMなどで現金を借りることができるので、「手元の現金が不足している」という状態では重宝します。

また、クレジットカードのキャッシングは海外でも利用できるので、海外で現地通貨を引き出す際に便利です。

法人カードには原則キャッシング機能はついていないので、キャッシングを希望する人には個人カードが向いています。

個人の信用情報や年収だけで審査を受けられる

個人カードの審査はあくまでも個人の信用です。

そのため、審査されるのは個人信用情報や勤務先や年収などの個人の属性で、信用情報などに問題さえなければ審査通過の可能性は高くなります。

一方、法人カードでは事業の内容等についても審査されるので、経営状態が悪化している場合や開業直後は審査に通過できないこともあります。

特に開業まもない時期は、個人カードの方が審査に通過しやすいでしょう。

法人カードのメリット

個人事業主は法人カードも選択することができますが、法人カードには個人カードと比較して次のようなメリットがあります。

  1. 個人カードよりも限度額が大きい
  2. ビジネスに役立つ付帯サービスが豊富
  3. 従業員用へ追加カードやETCカードを作成可能

事業用のカードとして法人カードを保有する3つのメリットについても詳しく解説していきます。

個人カードよりも限度額が大きい

法人カードは個人カードよりも限度額が大きいのが一般的です。

一般的には個人の生活費よりも事業の経費の方が多いため、クレジットカードも個人カードより法人カードの方が高額の限度額が設定される傾向があります。

個人カードでは限度額が心配という人でも、法人カードであれば限度額に余裕を持ってクレジットカードを利用することができます。

ビジネスに役立つ付帯サービスが豊富

法人カードにはビジネスに役立つ付帯サービスが充実しています。

例えばJCB法人カードには、次のような付帯サービスが用意されています。

  • 会計ソフトの利用料割引
  • 海外の利用でポイント2倍
  • ETCカードの走行日・利用区間・金額をオンラインで確認可能
  • 経費精算システムの利用可能
  • 出張の際のホテルや新幹線の予約サービス
  • オフィス用品の割引
  • 福利厚生施設の格安利用

個人カードではこれらのサービスを受けることができません。

カードを保有するだけで事業を効率化できる様々なサービスを受けることができるのは、法人カードならではのメリットです。

従業員用へ追加カードやETCカードを作成可能

個人カードでは追加カードを家族カードしか作ることができません。

しかし、法人カードであれば従業員に対して追加カードやETCカードを発行することができます。

従業員が経営者と家族だけという場合であれば個人カードでも支障はありませんが、家族以外の従業員に対しても追加カードを発行する場合は、法人カードでなければなりません。

従業員に対しても追加カードやETCカードを発行できるのは、法人カードならではの大きなメリットです。

クレジットカード払いの記帳方法

クレジットカードで経費を支払った際、どのように記帳するのかも理解しておきましょう。

特に個人事業主は個人用クレジットカードで経費を支払うケースも多いので、カードごとの仕訳の方法について、しっかりと理解しておくとよいでしょう。

個人用クレジットカードで経費を支出した場合

個人用クレジットカードで経費を支出した場合には、どの口座から支払ったのかによって処理が異なります。

個人口座からの支払い

個人口座からの支払いの場合には「事業主から借りた」という解釈になるので次のように仕訳を行います。

借方 貸方
消耗品費 1万円 事業主借 1万円

事業専用口座からの支払い

事業専用口座からのカードの代金が落ちる場合には、次のように2回に分けて記帳します。

  • クレジットカードで経費を支払った時
借方 貸方
消耗品費 1万円 事業主借 1万円
  • クレジットカードの代金が普通預金から引き落とされた日
借方 貸方
事業主借 1万円 普通預金 1万円

カードで決済した時は個人のカードで事業の経費を立て替えたという解釈なので「事業主借」で処理し、代金が決済された時には「事業主からの借入を精算した」という解釈になるので事業主借勘定を普通預金と相殺します。

事業専用クレジットカードで経費を支出した場合

事業専用のクレジットカードで経費を支払った場合も、どの口座から落ちるかによって会計処理が異なります。

個人口座からの支払い

  • クレジットカードで経費を支払った時
借方 貸方
消耗品費 1万円 未払金 1万円
  • クレジットカードの代金が普通預金から引き落とされた日
借方 貸方
未払金 1万円 普通預金 1万円

個人口座から引き落とされても、事業に使った経費の部分は上記のように記帳しなければなりません。

例えば、カードの引き落とし代金が3万円で事業の経費として使用した部分が1万円であれば、1万円だけ抽出して記帳しなければならない点に注意しましょう。

事業専用口座からの支払い

事業専用カードを使用して経費を支払い、事業専用口座から代金が引き落としになる場合には特別な処理は必要ありません。

  • クレジットカードで経費を支払った時
借方 貸方
消耗品費 1万円 未払金 1万円
  • クレジットカードの代金が普通預金から引き落とされた日
借方 貸方
未払金 1万円 普通預金 1万円

カードを使用したら全てを「未払金」として処理し、カードの引落日に「普通預金」と「未払金」を相殺するだけです。

面倒な処理がなく、間違いも少ないので、事業の経費は事業専用カードで事業専用口座から引き落とす方がよいでしょう。

分割払いにした場合

  • クレジットカードで経費を3回払いで支払った時
借方 貸方
消耗品費 3万円 未払金 3万円
  • クレジットカードの代金が普通預金から引き落とされた日
借方 貸方
未払金 1万円
支払利息 1,000円
普通預金 11,000円

分割払いの場合、元金を支払った分と利息の支払い分に分けて記帳を行い、これを完済まで毎月仕訳を行っていきます。

ポイントを使った場合

ポイントを使った場合は何も仕訳は必要ありません。

キャッシュバックを受けた場合

キャッシュバックを受けた場合、キャッシュバック分を「雑収入」の勘定科目を使います。

  • キャッシュバック5,000円を受けた
借方 貸方
普通預金 5,000円 雑収入 5,000円

開業まもない個人事業主に向いているビジネスカード7選

事業に使うクレジットカードとして、法人カードを作るのがおすすめです。

開業まもない規模が小さい個人事業主でも、審査に通過しやすく利便性が高いのは次の7つのカードです。

  • アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
  • オリコEX Gold for Biz S
  • 楽天ビジネスカード
  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ
  • JCB CARD Biz
  • テックビズゴールドカード
  • セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

個人事業主におすすめの7つのビジネスカードについて詳しく解説していきます。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
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年会費 13,200円(税込)
還元率 0.5%
国際ブランド americanexpress
電子マネー
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

新規入会特典

<合計80,000ボーナスポイント獲得可能>
・入会後4ヶ月以内に合計50万円のカード利用で10,000ボーナスポイント
・入会後6ヶ月以内にYahoo!広告などの対象加盟店で合計200万円のカード利用で50,000ボーナスポイント
・入会後、合計200万円以上のカード利用で20,000ポイント獲得可能

アメックスが発行するビジネスカードの一般カードです。

旅行傷害保険とショッピング保険が充実しているので、海外での仕入れが多い事業者の方におすすめです。

また、空港ラウンジ無料利用、レストランやホテルの優待なども受けられるので、出張の多い個人事業主の方にも向いています。

オリコEX Gold for Biz S

EX Gold for Biz S(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エス)

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年会費 初年度無料
2年目以降2,200円(税込)
還元率 0.5%
国際ブランド visamaster
電子マネー
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

年会費2,200円で持つことができるゴールドカードです。

MastercardビジネスアシストまたはVisaビジネスオファーが付帯されるので、レストラン、ホテル、旅館、各種レジャー施設などを優待料金で利用することができます。

また、空港ラウンジ無料利用、旅行傷害保険も充実しており、年会費がリーズナブルでありながら十分なサービスを受けることができる、コスパの高いクレジットカードだと言えるでしょう。

楽天ビジネスカード

楽天プレミアムカード(楽天ビジネスカード)

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年会費 楽天プレミアムカードの年会費:11,000円(税込)
楽天ビジネスカードの年会費:2,200円(税込)
還元率 1.0%
国際ブランド visamasteramericanexpressjcb
電子マネー rakuten
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

楽天市場での買い物が還元率最大5倍、世界中の空港ラウンジを無料利用できるプライオリティパスなど、ネットでの仕入れも海外出張にも向いているクレジットカードです。

楽天ビジネスカードは楽天プレミアムカードの追加カードという位置付けです。

そのため、個人用では楽天プレミアムカード、事業用では楽天ビジネスカードというようにカードを使い分けることも可能です。

それぞれのカードで楽天スーパーポイントが貯まるので、効率的にポイントを貯めたい人におすすめです。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

三井住友カード ビジネスオーナーズ

三井住友カード ビジネスオーナーズ
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年会費 永年無料
還元率 0.5〜1.5%※
国際ブランド visa
電子マネー
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

※個人カードをお持ちなら最大1.5%還元

キャンペーン情報

  • ・ビジネスオーナーズに新規入会&利用で最大8,000円相当プレゼント!

年会費が永年無料のうえ、最高2,000万円の海外旅行傷害保険も付いているので、コスパのよい魅力的なカードであるといえるでしょう。

また三井住友の個人カードも所有すれば、ビジネスオーナーズ利用時に特定の加盟店で最大1.5%のポイント還元があるので、ポイントを貯めやすいのも魅力です。

JCB CARD Biz

JCB CARD Biz(一般カード)

総合評価表示しない
年会費 初年度無料
2年目以降1,375円(税込)
還元率 0.5%
国際ブランド jcb
電子マネー quicpay
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

キャンペーン情報

・【Web限定】新規入会&利用で最大20,000円分のAmazonギフト券(Eメールタイプ)プレゼント(2022年9月30日まで)

スモールビジネスオーナーに向いているカードです。

スターバックスでの利用でポイント10倍、セブンイレブンとAmazonでポイント3倍となっているので、カフェで仕事をする機会やコンビニやネットでの買い物が多い人に向いています。

格安の年会費でありながら、旅行保険が3,000万円付帯されているのは大きなメリットです。

テックビズゴールドカード

テックビズゴールドカード

テックビズゴールドカード
総合評価表示しない
年会費 初年度無料
2年目以降2,200円(税込)
還元率 0.5%
国際ブランド master
電子マネー
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

格安の年会費でスモールビジネスオーナーにお得な特典が用意されているのが、テックビズゴールドカードです。

記帳/確定申告代行サービス、コワーキングスペース、電子契約サービスなどを利用できます。

また、各種保険も充実しているので、国内・海外出張がある人でも安心して利用することが可能です。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

saisonamex_cobalt_biz
総合評価表示しない
年会費 無料
還元率 0.5%
国際ブランド americanexpress
電子マネー quicpayiD
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

キャンペーン情報

カード発行月の翌々月末までに50,000円(税込)以上のショッピング利用で永久不滅ポイント1,000ポイント(5,000円相当※)がもらえる
(※1ポイント5円相当のアイテムと交換した場合)

年会費が格安の法人カードですが、限度額は500万円まで対応しています。

クラウドワークス、マネーフォワード、モノタロウなどのIT系の事業者が利用するサービスの代金支払いでポイントが4倍になります。

スモールビジネスオーナーが安い年会費で手軽に法人カードを保有したいという場合に、メリットのあるクレジットカードです。

この記事のまとめ

個人事業主はクレジットカードを個人用と事業用に分けて保有することによって、経理処理が楽になり、付帯サービスも事業用とプライベート用のカードそれぞれで受けることができます。

事業用と個人用のカードを分けることで年会費は2枚分かかりますが、法人カードの年会費は経費にすることができます。

毎月のようにクレジットカードで経費を支払っているのであれば、事業用とプライベート用でクレジットカードを分けるようにしましょう。

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