クレジットカードの知識
個人事業主がクレジットカードで経費を支払うメリットとおすすめカード
投稿日:21.09.15
更新日:24.05.23
個人事業主の方の中には経費を現金で支払ったり、個人用のクレジットカードで支払ったりしている人も多いのではないでしょうか?
しかし個人事業主にとっては、プライベート用のクレジットカードとは別に、経費支払用の法人カードを作った方が大きなメリットがあります。
経費をクレジットカードで支払うメリットと、法人カードがなぜ個人事業主に向いているのか、おすすめの法人カードとともに紹介していきます。
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この記事の監修者
手塚大輔(てづか・だいすけ)ファイナンシャルプランナー/証券外務員
個人事業主がクレジットカードで経費を支払うメリット
個人事業主がクレジットカードで経費を支払うことには、次の5つのメリットがあります。
- 経費を管理しやすい
- キャッシュフローに余裕が生まれる
- 急な出費も支払うことができる
- ポイントやマイルが貯まる
- 様々な付帯特典が用意されている
会計的にも資金繰り的にも、付帯サービスもあらゆる面で、クレジットカードで経費を支払うことにメリットがあります。
経費をクレジットカードで支払う5つのメリットについてまずは解説していきます。
経費を管理しやすい
クレジットカードで経費を精算すると、経費を管理しやすいのがメリットです。
現金で経費を支払った場合には、従業員ごと、経費ごとに支出を把握することは簡単ではありません。
その点、クレジットカードで支払いをすると利用明細が発行されるので、誰が、いつ、いくら、何に使ったのかということを明確に把握することができます。
また、会計ソフトと連動させることによって、クレジットカードで使用した支出を自動的に仕訳することもできるので、会計処理を円滑にすることもできます。
キャッシュフローに余裕が生まれる
クレジットカードで経費を支払うことによって、現金で支払うよりも資金繰りが円滑化します。
例えば、月末締め翌月末払いのクレジットカードにおける、決済から代金の支払いまでの流れは次のとおりです。
- 8/1 クレジットカードで経費を支払い
- 8/31 クレジットカードの締め日
- 9/30 クレジットカードの支払い
現金で経費を支払った場合には8/1に現金が流出しますが、クレジットカードで代金を支払った場合には9/30まで会社に現金が留まることになります。
クレジットカードで経費を精算することによって、現金が最大2ヶ月間流出しないので、キャッシュフローを最大2ヶ月分改善させることが可能です。
急な出費も支払うことができる
「会社の備品が急に壊れてしまった」というような急な出費があった時でも、クレジットカードであればすぐに支払うことができます。
手元に現金がない時でも必要な支払いをすることができるので、普段はクレジットを使わない人でも、いざという時のために持っておけば安心です。
ポイントやマイルが貯まる
クレジットカードで支払いをすることによって、ポイントやマイルを貯めることができます。
ほとんどのクレジットカードが、利用金額に対して0.5〜1.0%程度のポイント還元を行っています。
事業の経費は金額が大きいので、場合によってはポイント還元だけで数万円以上になることも珍しくありません。
現金で決済した場合にはポイント還元は行われないので、クレジットカードを使用して経費を支払った方が金銭的にもメリットがあります。
様々な付帯特典が用意されている
クレジットカードは付帯されている特典も大きなメリットです。
付帯特典はカードによって異なりますが、次のような特典が用意されていることが一般的です。
- 国内旅行傷害保険
- 海外旅行傷害保険
- ショッピング保険
- 空港ラウンジ無料
- レストランの食事料金優待
- ホテルの宿泊料金優待
- その他提携サービスの料金割引
カードを利用しなくても、会員になっているだけでこれらの各種サービスを利用することができます。
仕事の利便性を向上させるようなサービスも多いので、付帯サービスを目的にクレジットカードを作成する事業者の方も少なくありません。
個人事業主にも法人カードの使用をおすすめする理由
個人事業主は個人カードと法人カードのどちらも使用することができます。
しかし事業の経費を支払うのであれば、法人カードの方がおすすめです。
- 会計ソフトとの連動性が高く個人カードよりも会計処理が楽
- 事業用の口座から支払うことができる
- 個人カードよりも利用限度額が大きい
- ビジネス向けの付帯サービスが豊富
個人事業主にも法人カードが向いている4つの理由について詳しく見ていきましょう。
会計ソフトとの連動性が高く個人カードよりも会計処理が楽
ほとんどの法人カードは、会計ソフトと連動させることができます。
会計ソフトと連動させることによって、カードで使用した経費を自動的に仕訳することが可能です。
個人カードの中には会計ソフトと連携できないものや、連携できても取り込みしかできないことも少なくありません。
経理処理を円滑にしたいのであれば、法人カードの方が向いています。
事業用の口座から支払うことができる
法人カードは事業用の口座から支払いをすることができます。
事業の売上が入金になる屋号口座などを引き落とし口座とすることができるので、入金から支払いまで一貫した管理が可能です。
個人カードであれば屋号口座からの引き落としは不可能なので、屋号口座から引き落としを希望する場合には、法人カードを契約しましょう。
個人カードよりも利用限度額が大きく従業員へカード発行ができる
法人カードは個人カードよりも利用限度額が高額に設定されていることが一般的です。
経費の使用料が多い事業者の方でも、法人カードであれば限度額が大きいので対応できる可能性があります。
また、法人カードは追加カードの発行可能枚数が多く、従業員にもカードを持たせることができます。
「毎月使う経費が大きい」
「多くの従業員にカードを発行したい」
このような事業者の方は、個人カードよりも法人カードの方が向いています。
ビジネス向けの付帯サービスが豊富
クレジットカードには様々な付帯サービスが用意されていますが、法人カードの場合はビジネス向けに特化したサービスが付帯されています。
- 会計ソフトやサーバー利用でポイント還元UP
- 事務用品の料金割引
- タクシーハイヤー料金割引
- ゴルフ場の料金割引
- 福利厚生施設の優待利用
このようなビジネスにメリットのある特典が多数用意されているため、法人カードを契約することでビジネスの利便性が向上するでしょう。
個人事業主が経費支払い用カードを選択するポイント
個人事業主でも契約できる法人カードは、数多く発行されています。
経費の支払いに法人カードを選ぶ場合には、次の3つのポイントから選択するとよいでしょう。
- 個人事業主でも契約できる法人カードを選ぶ
- 限度額が事業の経費をカバーできるか確認
- 追加カードとETCカードの作成枚数が自社の規模にあっているか確認
個人事業主がカードを選ぶ3つのポイントについて詳しく解説していきます。
個人事業主でも契約できる法人カードを選ぶ
まずは個人事業主でも契約できるカードを選びましょう。
クレジットカードの中には法人しか契約できないカード、法人代表者しか契約できないカードがあります。
個人事業主を対象者としているクレジットカードは数多くありますので、まずは個人事業主が契約できる法人カードを選びましょう。
限度額が事業の経費をカバーできるか確認
法人カードの限度額が、毎月の事業経費の支払額以上となっているかを確認しましょう。
例えば毎月の経費が200万円なのに、限度額100万円のクレジットカードを契約しても意味がありません。
突然の出費にも備えられるよう、毎月の経費の1.5倍から2倍程度の限度額のクレジットカードを選択しましょう。
追加カードとETCカードの作成枚数が自社の規模にあっているか確認
法人カードは従業員向けに追加カードを発行することができます。
カードの発行枚数はクレジットカードによって異なるので、発行を希望する枚数をカバーできるかどうか必ず確認しておきましょう。
個人事業主の経費支払いに向いているカード5選
個人事業主が事業の支払いをするのであれば、次の5つのクレジットカードがおすすめです。
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
- オリコEX Gold for Biz S
- 楽天ビジネスカード
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ
- JCB CARD BIZ
これらのカードであれば個人事業主でも審査に通過できる可能性があり、経費の支払いだけでなくビジネス全体を便利にすることができます。
個人事業主の経費支払いに向いている5つのクレジットカードについて詳しく解説していきます。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード
年会費 | 13,200円(税込) |
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還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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※プロモーションを含みます
新規入会特典
<合計40,000ボーナスポイント獲得可能>・入会後4ヶ月以内に合計60万円のカード利用で34,000ボーナスポイント
・入会後、合計60万円のカード利用で6,000ポイント獲得可能
アメリカン・エキスプレスが発行するビジネスカードの一般カードです。
アメックスというとステータスが高く審査が厳しいというイメージをお持ちの人も多いかもしれません。
しかし、一般カードであれば開業間もない個人事業主の方でも、審査に通過できる可能性は十二分にあります。
付帯サービスも、次のとおり充実しています。
- 国内外20万ヶ所以上の施設を特別優待料金で利用できるクラブオフ
- 国内外29空港の空港ラウンジ無料利用可能
- 社員カードの利用確認・限度額変更
- 国内・海外旅行傷害保険:5,000万円
将来的にはゴールドカードへとステータスを上げることも可能ですので、ステータスの高いクレジットカードを希望している人はアメリカン・エキスプレスの一般カードから始めてみるとよいでしょう。
オリコEX Gold for Biz S
EX Gold for Biz S(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エス)
年会費 | 初年度無料 2年目以降2,200円(税込) |
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還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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年会費は2,200円とリーズナブルですが、他のゴールドカードと遜色のない次のようなサービスを受けることができます。
- MastercardビジネスアシストまたはVisaビジネスオファー
- freeeの有料プランが通常より3ヶ月分割引
- 国内主要空港とハワイ・ホノルル、韓国・仁川の空港ラウンジを年中無休無料利用
「少ない負担で充実した付帯サービスを受けたい」という方にはおすすめのクレジットカードです。
楽天ビジネスカード
楽天プレミアムカード(楽天ビジネスカード)
年会費 | 楽天プレミアムカードの年会費:11,000円(税込) 楽天ビジネスカードの年会費:2,200円(税込) |
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還元率 | 1.0% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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楽天ビジネスカードは、楽天プレミアムカードの付帯サービスとして発行されます。
そのため、楽天プレミアムカードに加入していなければ契約することができません。
プライベート用は楽天プレミアムカード、ビジネス用は楽天ビジネスカードというように使い分けるのがよいでしょう。
プレミアムカードの追加カードですので付帯サービスが充実しており、次のようなサービスを受けることが可能です。
- VISAビジネスオファー
- 楽天市場でポイント最大5倍
- プライオリティパス
- トラベルデスクの無料利用
これだけのサービスで2枚のカードの年会費合計が13,000円程度というのは、非常に魅力的です。
とにかく付帯サービスにこだわりたいという人は、楽天ビジネスカードがおすすめです。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズ
年会費 | 永年無料 |
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還元率 | 0.5〜1.5%※ |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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※対象の三井住友個人カードと2枚持ちで最大1.5%還元
キャンペーン情報
- 新規入会&条件達成で10,000円相当のVポイントプレゼント!
スモールビジネスオーナーがポイントを貯めやすいカードです。
三井住友の個人カードも所有すれば、ビジネスオーナーズ利用時に特定の加盟店で最大1.5%のポイント還元があります。
また年会費が永年無料のうえ、最高2,000万円の海外旅行傷害保険も付いているので、コスパのよい魅力的なカードであるといえるでしょう。
JCB CARD Biz
JCB CARD Biz(一般カード)
年会費 | 初年度無料 2年目以降1,375円(税込) |
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還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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キャンペーン情報
・【Web限定】新規入会&利用で最大20,000円分のAmazonギフト券(Eメールタイプ)プレゼント(2022年9月30日まで)JCBの最もオーソドックスなクレジットカードです。
年会費1,375円とリーズナブルでありながら、国内・海外旅行傷害保険が3,000万円も付帯されており安心です。
弥生会計、freeeの料金が割引になるなど、ビジネスシーンにおいてメリットのある特典が多数用意されています。
業歴の浅い個人事業主でも比較的審査には通りやすいので、どのカードに申し込んだらいいか分からないという人の入口として利用してみるとよいでしょう。
この記事のまとめ
クレジットカードで経費を支払うことによって、ポイントが貯まり資金繰りが改善します。
個人事業主は個人用のカードと法人カードの両方を作成することができますが、ビジネスの経費を支払うのであれば法人カードの方がよいでしょう。
法人カードは限度額が大きく、追加カードの発行枚数が多いうえ、ビジネスに役立つ付帯サービスが充実しています。
個人事業主に対応した法人カードも多いので、限度額や追加カードの発行枚数、付帯サービスなどを比較して自社の規模や業態に最も合った法人カードを契約しましょう。