法人カードのおすすめ
法人カードのメリットとは? 個人カードとの違いとおすすめカード3枚
投稿日:21.03.14
更新日:24.06.12
法人カードも個人カードも同じクレジットカードですが、法人カードと個人カードはメリットやデメリットがまった異なります。
うまく法人カードのメリットを活用することができれば、企業経営は効率的になり、資金繰りを楽にすることもできます。
法人カードの特徴やメリット・デメリット、また初めて法人カードを作る人におすすめのクレジットカードを紹介していきます。
法人カードについて知りたい方、法人カードを作ろうかどうか悩んでいる方はぜひご覧ください。
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この記事の監修者
手塚大輔(てづか・だいすけ)ファイナンシャルプランナー/証券外務員
法人カードと個人カードの違い
法人カードも個人カードもクレジットカードという点では同じですが、以下の3つの点で大きく異なります。
- 引き落とし口座
- 利用限度額
- 付帯サービス
法人カードと個人カードの3つの違いを解説していきます。
法人カードと一口にいってもクレジットカード会社が想定している利用企業の規模によって、以下の2つの種類に分かれます。
ビジネスカード 個人事業主・中小事業者向け |
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コーポレートカード 大企業や官公庁向け |
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ここでは、個人事業主や中小企業が利用するのに向いているビジネスカードについて解説していきます。
引き落とし口座の違い
法人カードの引き落とし口座は法人名義の銀行口座です。そのため、法人の経費を法人の口座からダイレクトに落とすことができます。
一方、個人カードの引き落とし口座は個人名義の口座しか指定することができません。
経費を個人のクレジットカードで支払った場合には、法人口座から現金を引き出して個人へ精算しなければならないので非常に面倒です。
事業の経費をクレジットカードで支払う場合には法人カードの方が圧倒的に事務が楽になります。
法人カードは限度額が大きい
法人カードは個人カードと比較して限度額が大きいのも特徴です。
一般的な個人カードの限度額は100〜300万円程度までしか設定できません。
しかし法人カードは会社の規模に応じて個別に限度額を設定することが多いので、場合によっては数億円以上の限度額を設定することも可能です。
事業規模が大きな会社の場合には、法人カードでなければ金額的に対応できないことも多いでしょう。
法人カードだけの付帯サービスがある
カードによって異なるものの、法人カードには以下のような付帯サービスが付いているものがあります。
- ポイント還元
- マイレージサービス
- 海外旅行保険
- 海外でのキャッシング
- スポーツクラブの優待
- 健康診断の割引
ポイントやマイレージでの還元だけでなく、従業員の福利厚生につながるようなサービスも充実しているので、福利厚生費の節約も図ることができます。
法人カードの5つのメリット
法人カードを利用することによって企業にはおもに以下のようなメリットがあります。
法人カードの5つのメリット
- 経費精算が楽になる
- 経費の削減効果がある
- キャッシュフローに余裕ができる
- 法人カードだけの付帯サービスがある
- 社内のガバナンス改善になる
法人カードを導入することによって会社が得ることができる5つのメリットについて詳しく解説していきます。
経費精算が楽になる
法人カードで経費を支払うことによって経費精算が非常に楽になります。
従業員へ領収書と引き換えに、その都度、経費を支払う必要はありません。
また、カードの利用明細から一括して帳簿への記帳を行う方が、都度記帳するよりも簡単です。
法人カードで経費精算を行うことで、経理の事務的な負担を大幅に軽減することができます。
経費の削減効果がある
法人カードを利用することによって経費の管理が容易になります。
- 従業員別の経費
- 項目別の経費
従業員別・項目別にいくら何に使ったか、月別の推移などを把握することができるので、「使いすぎ」や「無駄遣い」を可視化することが可能になります。
可視化することによって無駄な経費を洗い出すことも可能になるので、法人カードを使用することによって会社の経費を削減しやすくなるでしょう。
キャッシュフローに余裕ができる
法人カードで経費を支払うことによってキャッシュフローの改善にもつながります。
現金で経費を支払えばすぐに現金が流出しますが、法人カードで支払った経費は支払日まで現金が流出しないので、現金が流出するまでに時間的余裕が生まれます。
例えば、1月分に法人カードで支払った経費は1月末に締めて2月の支払日にまとめて支払うのが一般的です。
クレジットカードで経費を支払った方が1ヶ月ほど資金繰りに余裕が生まれるので、その分だけキャッシュフローを改善させることができます。
法人カードだけの付帯サービスがある
法人カードだけが受けられる付帯サービスを利用できるのも法人カードの魅力です。
旅行保険の無料付帯によって保険料の節約になりますし、ジムや健康診断の割引サービスで福利厚生費の節約にもなります。
社内のガバナンス改善になる
法人カードを従業員に持たせ、「経費の支払いは原則的にカード使用分のみ」とすることによって社内のガバナンスを改善することができます。
クレジットカードの利用明細から、だれが・いつ・どこで・何に・いくら使ったのかということを会社はすべて把握することができるので、従業員は不正な経費支出をすることができません。
場合によっては、従業員がうその領収書を会社へ提出して経費の不正支出を行うケースもありますが、法人カードではこのような不正は不可能です。
社内のガバナンスを強化する意味でも法人カードは非常に有効なツールになります。
法人カードの3つのデメリット
法人カードを利用することによって事務負担軽減・経費節減・キャッシュフローの改善・付帯サービスの利用・ガバナンスの強化などのメリットがあることは間違いありません。
しかし、法人カードには以下の3つのデメリットがあることも理解しておきましょう。
法人カードの3つのデメリット
- 年会費が必要
- 個人カードよりポイント還元率が低め
- 個人カードよりも審査が厳しい
法人カードを作るのであれば、デメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。
法人カードの3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
年会費が必要
ほとんどの法人カードで年会費が必要です。
個人カードには年会費不要なものが非常に多いことと比較すると、法人カードでは年会費を負担しなければならない点はデメリットでしょう。
年会費が無料でも使える法人カードについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
個人カードよりもポイント還元率が低め
法人カードは個人カードと比較してポイント還元率が低い傾向があります。
平均的な還元率は0.5%程度で、1%を超えるようなカードはほとんど存在しません。
また、個人カードのように、特定の店舗などでの決済で還元率が上がるようなサービスもありません。
法人カードは個人カードと比較してポイントが貯まりにくいのもデメリットです。
個人カードよりも審査が厳しい
法人カードは一般的に個人カードよりも審査が厳しくなる傾向があります。
個人カードであれば信用情報がブラックでなければ審査に通過することは難しくありません。
しかし法人カードの場合は業歴・業績なども審査に影響するので、個人カードの審査には通過できる個人事業主が法人カードの審査には通過できないこともあります。
法人カードの審査についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
法人カードを作るための4つのステップ
法人カードを作成するための手順を簡単に確認していきましょう。
基本的に法人カードは以下の4ステップで簡単に作ることができます。
- カードの利用代金を引き落とす銀行口座を開設
- 必要書類を用意して申し込む
- 審査通過の連絡
- カードの到着
それぞれの手順の注意点などを把握して、スムーズに手続きが進むよう準備をしておきましょう。
1.カードの利用代金を引き落とす銀行口座を開設
法人カードを利用するには法人名義の銀行口座が必要です。
法人カードは個人名義の銀行口座から引き落とすことができないので、必ずカードの申し込み前に法人名義の銀行口座を開設しておきましょう。
2.必要書類を用意して申し込む
法人カードの申し込みに必要な書類は基本的に2つです。
- 代表者の本人確認書類
- 商業登記簿謄本
商業登記簿謄本は6ヶ月以内に発行されたものが有効となるので発行日には十分注意しましょう。
なお、法人カードの申し込みから必要書類の提出は以下の流れで行うのが一般的です。
- インターネットから申し込み
- 会社宛てに郵送される入会申込書へ記入・押印
- 入会申込書と必要書類をカード会社へ返送
3.審査通過の連絡
申し込み後カード会社で審査が行われます。
審査に通過すると、カード会社は会社宛てにクレジットカードを郵送します。
4.カードの到着
会社にカードが届いたら、その日からクレジットカードを利用することができます。
法人カードの場合、申し込みから発行まで2週間〜3週間程度の時間がかかり、クレジットカードによっては2ヶ月程度の時間がかかる場合もあります。
個人カードと比較して審査が厳しい法人カードは、カードの申し込みから発行までに時間がかかってしまうことを理解しておきましょう。
法人カードの審査4つのポイント
法人カードの審査は個人カードの審査よりは厳しく行われますが、以下の4つのポイントを押さえておけば審査に通過することはそれほど難しくありません。
- 会社の決算状況
- 会社の規模
- 会社の業歴
- 代表者の個人信用情報
スムーズに法人カードの審査に通過するために、審査のポイントをしっかりと理解しておきましょう。
1.会社の決算状況
会社の財務状態が良好で利益が出ている方が審査には通過しやすくなります。
そのため、赤字決算・債務超過の企業は法人カードの審査に落ちてしまうこともあります。
利益がしっかり出ているタイミングで法人カードへ申し込みましょう。
2.会社の規模
会社の規模が大きい方が審査には通過しやすくなります。
特に年会費が高いカードは、家族経営の小規模法人や個人事業主では審査に通過することが難しくなります。
規模が小さい会社は、比較的審査難易度がやさしい年会費が安いカードへ申し込んだ方がよいでしょう。
3.会社の業歴
会社の業歴は長ければ長いほど審査で有利です。
特に業歴1年未満では審査に通過することが非常に難しくなります。
できれば、開業1年以上経過してから法人カードへの申し込みを行いましょう。
4.代表者の個人信用情報
法人カードでは代表者の個人信用情報もチェックされます。
法人カードの申し込みの際には、代表者個人の借入金やクレジットカードの支払いに遅れがない状態をできるかぎり長く継続してから申し込みをした方が審査に通過する確率は高くなります。
法人カードはどう選ぶべき? 法人カードの4つの選び方
法人カードは種類が多く、価格.comに登録されている法人カードだけで95種類も存在します。(2021年8月現在)
そのため「どのカードを選んでいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
法人カードの選び方はさまざまですが、以下の4つの視点からカードを選択すれば間違いないでしょう。
\法人カードの選び方/
- 会社の規模に合う限度額かどうか
- 発行枚数は従業員数に見合ったものか
- 年会費は許容範囲内か
- ポイント還元率の高さ
自社に合った法人カードの選び方を理解しておきましょう。
会社の規模に合う限度額かどうか
法人カードの限度額が会社の規模に見合ったものかどうかという点も非常に重要です。
例えば、毎月の経費が500万円という会社が限度額100万円の法人カードを作っても活用することはできません。
法人カードの限度額は自社の経費の金額を上回るものがよいでしょう。
発行枚数は従業員数に見合ったものか
法人カードは追加カードを発行することができるものが多くあります。
カードによっては追加カードが3枚程度しか発行できないものもあるので注意が必要です。
例えば「従業員10人全員にカードを持たせたいのに、追加カードは3枚までしか発行できない」というケースでは法人カードを発行した意味が半減してしまいます。
自社が希望するとおりに追加カードを発行できるかどうかという点も、法人カードを選ぶ際にしっかりと確認しておきましょう。
年会費は許容範囲内か
ほとんどの法人カードに年会費がかかり、その金額は数千円から数十万円まで多岐にわたります。
年会費が高いカードほど追加カードの発行枚数が多く、限度額も大きくなる傾向にあります。
そのため、年会費の高いカードは大企業向け、年会費の安いカードは小規模企業向けと分類することができます。
年会費が自社の規模に合ったものかどうか、年会費が金額的に許容できる範囲内かどうかもカード選択の際に考慮しましょう。
ポイント還元率の高さ
「使った経費でお得にポイント還元を受けたい」という人はポイント還元率の高いクレジットカードを選ぶのがよいでしょう。
法人カードの中にはまったくポイントが還元されないカードもあれば、1%もの還元率のカードまであり、さまざまです。
経費の額が大きければ還元されるポイントも大きくなるので、ポイント還元を重視する方は還元率の高いクレジットカードを選択するとよいでしょう。
初めての作成におすすめの法人カード3選
「初めて法人カードを作成する」という人におすすめなのが以下の3つのカードです。
\おすすめ法人カード/
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
- JCB一般法人カード
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ
これらのカードは年会費も比較的安く、付帯サービスも充実しているので初めて法人カードを作る方にとって利用しやすいクレジットカードです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード
年会費 | 13,200円(税込) |
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還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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※プロモーションを含みます
新規入会特典
<合計40,000ボーナスポイント獲得可能>・入会後4ヶ月以内に合計60万円のカード利用で34,000ボーナスポイント
・入会後、合計60万円のカード利用で6,000ポイント獲得可能
憧れのアメックスが年会費たったの13,200円(税込)で保有できることで人気の法人カードです。
空港ラウンジ無料利用や最高5,000万円の旅行保険など他社のゴールド並みの付帯サービスを受けることができ、ポイント還元率も高いので、経費の支払いが多い企業や海外出張が多い企業におすすめの法人カードです。
JCB一般法人カード
JCB法人カード(一般)
年会費 | 初年度無料※ 2年目以降1,375円(税込) |
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還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
|
※オンライン入会の場合のみ
キャンペーン情報
・【Web限定】新規入会で最大3,000円、利用条件クリアで最大30,000円のJCBギフトカードプレゼント(2023年3月31日(金)まで)・使用者追加・同時入会で最大9,000円プレゼント!(使用者1名につき3,000円、最大3名までが対象)
年会費1,375円(税込)と非常にリーズナブルでありながら旅行保険などの付帯サービスは充実しています。
ETCカードが無料なので、国内でのETC利用が多い企業におすすめの法人カードだといえるでしょう。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズ
年会費 | 永年無料 |
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還元率 | 0.5〜1.5%※ |
国際ブランド | |
電子マネー | |
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※対象の三井住友個人カードと2枚持ちで最大1.5%還元
キャンペーン情報
- 新規入会&条件達成で10,000円相当のVポイントプレゼント!
個人事業主と法人代表者専用の法人カードです。
年会費が永年無料のうえ、最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯されているので、コスパの高い法人カードとして人気です。
個人事業主や、家族経営などの会社におすすめのビジネスカードだといえるでしょう。
これ以外にも、おすすめの法人カードをこちらの記事で紹介しています。
この記事のまとめ
法人カードは個人カードと比較して利用限度額が高く、付帯サービスが充実しています。
そして、経費を一元管理することができるので、経理担当者の負担軽減につながります。
経費管理の効率化、経費削減、社内のガバナンス強化を図りたい場合には法人カードの導入を検討するとよいでしょう。
限度額・追加カードの発行枚数・年会費などからカードを比較し、自社の規模や業態に見合った最適なカードを選択してください。