個人事業主がクレジットカードの審査に通過するコツと審査落ちの対処法

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個人事業主は法人カードと個人カードの両方のカードを契約することができます。

しかし、どちらのカードも審査があるので、「事業規模が小さく営業年数も短いので審査に通過することができないのでは?」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか?

確かに、誰でもクレジットカードの審査に簡単に通過できるわけではなく、規模の大きな法人と比較すると個人事業主の方が審査で不利になることは間違いありません。

しかし、ポイントをしっかりと押さえておけば、カード審査に通過することは決して不可能ではありませんし、営業年数が短いスモールビジネスオーナー用に作られたカードも多数あります。

個人事業主がクレジットカードを作る際の審査基準やおすすめクレジットカードをご紹介していきます。

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この記事の監修者

手塚大輔(てづか・だいすけ)ファイナンシャルプランナー/証券外務員

地方銀行に8年勤務し、住宅ローン・カードローン・フリーローンなど個人ローンの他、事業性融資・創業融資など幅広い業務を担当。ファイナンシャルプランナーの資格を有する。

個人事業主の法人カードでの審査基準

個人事業主に限らず、クレジットカードの審査基準は非公表となっています。

ただし、一般的に審査で確認される点には共通点があります。

審査で主にチェックされるポイントは次の5つです。

  • 代表者の個人信用情報
  • カードの利用実績
  • 事業の実態
  • 営業年数
  • 事業の業況

個人事業主が法人カード審査でチェックされる5つのポイントについて詳しく解説していきます。

代表者の個人信用情報

法人カードでは個人事業主本人の個人信用情報が審査されます。

代表者の個人信用情報に次のような金融事故情報が記録されているブラックの人は、ほぼ審査に通過できません。

  • 債務整理
  • 長期延滞
  • 強制解約
  • 代位弁済

「法人カードなので、代表者の個人信用情報は関係ないだろう」と考えている人も多いですが、個人事業主はあくまでも代表者個人でカードを契約します。

審査では代表者の信用情報も重要になるので注意しましょう。

カードの利用実績

個人信用情報には、他のクレジットカードの利用実績やローンの返済実績なども記録されています。

他のカードやローンの支払いが遅れている人は、法人カードの支払いも遅れる可能性が高いと判断されるので、遅れが多い場合には審査に通過することが難しいでしょう。

事業の実態

個人事業主の場合には、事業の営業実態があるかどうかも重要視されます。 法人のように登記が行われているわけではないので、営業実態がなくても税務署に開業届さえ提出すれば個人事業主を名乗ることができるためです。

審査では固定電話やホームページなどで営業実態が本当に存在するのかという点も非常に重視されます。

営業年数

営業年数は長ければ長いほど審査で有利になります。

事業規模が小さな個人事業主は、開業したもののすぐに廃業したり倒産したりといったケースも少なくないためです。

住宅ローンなどのローンの審査における営業年数のひとつの目安として、よく言われているのが「営業年数3年」です。

営業年数3年以上あれば審査で営業年数が問題になることはほとんどありません。

しかし開業から間もない時期でも、ポイントを押さえておけば審査に通過できる場合もあるでしょう。

事業の業況

事業の業況も審査では重視されます。

しっかりと利益が出せている個人事業主であれば、カードの利用代金の支払いにも問題ないと考えられるので審査に通過できるでしょう。

しかし、赤字が続いているような場合には審査に通過できないこともあります。

ただし、個人事業主向けのクレジットカードの中には確定申告書の提出を必要としないものも多いので、このようなカードであれば、多少業況に問題があったとしても他のポイントに問題がなければ審査に通過できる可能性があります。

個人事業主が法人カードの審査に通るコツ

個人事業主が法人カードの審査に通過するためには「十分な営業実績を作ってから申し込む」ということが一番です。

しかし、その場合には開業当初には法人カードを持つことができません。

開業間もない個人事業主が法人カードの審査に通過しやすくするためには、次の5つの比較的簡単にできるポイントを意識して申し込みましょう。

  • 個人用のクレジットカードの支払いは期日通りに
  • 固定電話を開通させる
  • 事業のホームページを作る
  • 売上実績を作ってから申し込む
  • 希望限度額を少なくする

個人事業主が法人カード審査に通過するための5つのポイントを詳しく解説していきます。

個人用のクレジットカードの支払いは期日通りに

審査では個人のクレジットカードやローンの支払い状況をチェックされています。

ここで期日通りに支払っている記録が多い人は審査で有利です。

信用情報には過去24ヶ月分の支払い状況が記録されているので、できる限り期日通りに支払った状態を継続した上で法人カードに申し込むのがよいでしょう。

固定電話を開通させる

個人事業主は固定電話がないと審査でかなり不利になります。

勤務先の電話番号と本人携帯電話番号が同じでは、事業の実態が確認できないためです。

また、固定電話もない事業者は対外的な信用が危ぶまれてしまいます。

固定電話がない個人事業主は、まず固定電話を開通させてから法人カードへ申し込みましょう。

事業のホームページを作る

事業用のホームページを作成することも重要です。

審査担当者が事業の営業実態を調べるために、屋号などをインターネットで検索することがあります。

この際に、しっかりとした作り込みのホームページがヒットすれば、審査でプラスになります。

ビジネスの面でもホームページがあることは重要ですので、開業したらホームページを作るようにしましょう。

売上実績を作ってから申し込む

何も売上の実績がない開業当初よりも、開業から数ヶ月程度経過して売上の実績を作ってからの方が審査に通過しやすいと言えます。

開業から間もない時期にカードを申し込むのではなく、しっかりと実績を作ってから申し込んだ方が審査通過の可能性は高くなるでしょう。

希望限度額を少なくする

希望するカードの限度額を少なくするというのも有効な方法です。

限度額が少なければカード会社のリスクも低いので審査に通過しやすくなります。

自身がカードをどの程度利用するのか計算し、必要最低限の限度額で申し込みましょう。

法人カードへの申込時の注意点

法人カードに申し込む際には、「審査に落ちたくない」という気持ちが先走って、次の2つのような過ちを犯してしまう可能性があります。

  • 虚偽の申告
  • 複数のカードへ同時に申し込む

これらの過ちを犯してしまうと、他の情報とは無関係に審査に落とされてしまうリスクがあります。

法人カード申込時の2つの注意点について詳しく解説していきます。

虚偽の申告は絶対にしない

審査に通過しやすくしようと「営業年数」「所得」「売上」などについて虚偽の申告をする人は少なくありません。

しかし、申し込み内容については書類や帝国データバンクのデータや個人信用情報などから裏をとるので、これらの虚偽は審査で必ず発覚しますので、虚偽申告は絶対にしないようにしてください。

虚偽申告が発覚すると、他の情報に関わらずその場で審査落ちになってしまうこともあります。

正直に申告していれば審査に通過できた可能性のある人も、虚偽申告によって審査落ちになる可能性もあるので、虚偽申告は絶対に避けてください。

複数のカードへ同時に申し込まない

審査に落ちるのが心配だからと、複数のクレジットカードを時に申し込むこともNGです。

個人信用情報にはカードを申し込んだ情報が記録されており、複数のカードに申し込みをしたことは審査で必ず発覚する仕組みになっています。

他のカードにも申し込んでいることは「よほどお金に困った事情がある」「審査に自信がない事情がある」などと判断されるので審査でマイナスにしかなりません。

必ずクレジットカードへの申し込みは1度に1枚だけとするようにしてください。

法人カードの審査に落ちた時の対処法

法人カードには審査があり、誰でも確実に通過できるわけではありません。 中には審査に落ちてしまう人もいます。

しかし審査に落ちてしまったからと言って、必ずしも今後ずっとクレジットカードを持てないわけではありません。

審査に落ちてしまったら、次の3つのうちいずれかの方法を検討しましょう。

  • 半年後まで申し込みを我慢する
  • 個人用のカードに申し込む
  • 年会費の安いクレジットカードに申し込む

法人カードの審査に落ちてしまった時の3つの対処法について詳しく解説していきます。

半年後まで申し込みを我慢する

クレジットカードに申し込んだ情報と審査に落ちた情報(申し込みをしたのに契約がない情報)は個人信用情報に6ヶ月間記録され、この情報が記録されている間は審査で不利になります。

そのため、審査に落ちてから半年以上経過して、個人信用情報から申し込み情報が消えてから他のクレジットカードに申し込みをしてみましょう。

次は、限度額を引き下げて申し込むなどの工夫をすることで、審査に通過できるかもしれません。

個人用のカードに申し込む

個人事業主は法人カードだけでなく、個人カードも契約することができます。 そのため、法人カードの審査に通過できない場合には、個人カードへの申し込みも検討しましょう。

特に流通系や消費者金融系のクレジットカードは審査のハードルがそこまで高くないので、法人カードの審査に落ちた個人事業主でも審査に通過できる可能性があります。

年会費の安いクレジットカードに申し込む

年会費の安いクレジットカードへの申し込みを検討しましょう。

年会費の安いクレジットカードも審査のハードルはそこまで高くありません。

広く会員を募って多くの人に利用してもらうことを想定しているカードであるため、信用度の低い個人事業主でも審査に通過できる可能性があります。

年会費が無料のものや数千円程度のものもあるので、審査落ちしたクレジットカードよりも年会費が安いクレジットカードに申し込みを行いましょう。

個人事業主が審査に通りやすい法人カード3選

審査に通る自信がない個人事業主でも、比較的審査に通過しやすいと考えられるクレジットカードは次の3つです。

  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ
  • freee VISAカード
  • セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード

これらのカードであれば、営業年数が浅く、規模の小さな個人事業主でも比較的審査に通過しやすいでしょう。

審査に不安のある個人事業主におすすめの3つのクレジットカードについて詳しくご紹介していきます。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

三井住友カード ビジネスオーナーズ

三井住友カード ビジネスオーナーズ
総合評価表示しない
年会費 永年無料
還元率 0.5〜1.5%※
国際ブランド visa
電子マネー
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
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三井住友の個人カードも所有すれば、ビジネスオーナーズ利用時に特定の加盟店でポイント還元率が最大1.5%になる特典もあるので、ポイントを貯めやすいカードです。

*所定の審査があります

freee VISAカード

freee VISAカード

総合評価表示しない
年会費 初年度無料(2年目以降825円(税込))
還元率 なし
国際ブランド visa
電子マネー
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

「前年度50万(税込)以上ご利用」または「マイ·ペイすリボ設定+ご利用」で2年目以降も年会費無料

追加カードとETCカードが20枚まで無料となっており、従業員が多い会社や従業員の有料道路移動が多い人におすすめのカードです。

付帯保険やポイント還元はついていない点はデメリットですが、利用状況によって2年目以降も年会費を無料とすることができるので、低コストでクレジットカードを保有したい人にはおすすめです。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

saisonamex_cobalt_biz
総合評価表示しない
年会費 無料
還元率 0.5%
国際ブランド americanexpress
電子マネー quicpayiD
  • ETCカード
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード

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年会費は1,100円と法人カードの中で最安値レベルでありながら、限度額は500万円まで設定可能です。

付帯保険はついていないので、出張が少なく、普段の経費の支払いをクレジットカードでしたいという人におすすめの1枚と言えるでしょう。

この記事のまとめ

個人事業主のクレジットカードの審査は、代表者の個人信用情報と営業実績が非常に重要です。

次のポイントを押さえることで、審査に通過できる可能性が大きくなります。

  • 個人用のクレジットカードの支払いは期日通りに
  • 固定電話を開通させる
  • 事業のホームページを作る
  • 売上実績を作ってから申し込む
  • 希望限度額を少なくする

審査に通過したいあまりに虚偽申し込みをすることや、複数のカードに同時申し込みを行うことは、審査でマイナスにしかならないので注意しましょう。

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